ディスプレイの色を測る|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2019.09.02
色彩輝度測定機
ディスプレイの色を測る
多くの工場で標準的な更新フォトダイオードが使用されています。この場合、機構的に測定する角度がずれていると、測定した結果も信頼性の高い測定結果とは言えません。大原則として人間の視点に合わせた測定が必要です。本記事では、ディスプレイの色の測定に適したAdmesy社の製品を例に、ディスプレイの色を測る上で留意すべきポイントをご紹介いたします。
■ 光学測定での基本事項
Admesy社では全ての機器で視野角を± >2.5°に維持しています。この値よりも視野角が広くなってしまうと、どんなに高度な回路を組んだとしても、この視野角によって信頼性の高い値は得られません。これは色彩計や輝度計を選ぶ時の大変重要なポイントです。
以下は、各測定機でのグレースケールの実測時間を表にしたものです。分光器は色彩輝度計と比較して、タクトタイムがかかります。(Hyperion、MSE+、HeraはAdmesy社の製品名です)
■ タクトタイム(測定作業時間)
生産ライン等での使用を想定する場合には、測定時間は他の装置との連携にかかる時間も含めます。ホワイトポイントやγ線の補正の全タクトタイムではパターンジェネレータの動作時間も含めます。パターンの待ち時間にも注意することが重要です。反応の遅いディスプレイでは200秒を超える時間がかかることもあります。
■ パターンジェネレータ
生産ラインでは極力タクトタイムを短くする必要があります。CPUやFPGAの単価を削減することは大抵貴重な製造時間を長引かせる事になり、良い考えではありません。以下の図は、色彩輝度計とのリンクとパターンジェネレータの一般的な図式です。
■ フルシステム(生産工程)
フルシステムを構築するには以下のアイテムが必要です。
・パターンジェネレータ(もしくはディスプレイを駆動させるためのチップセット)
・ディスプレイのRGBの値を制御するためのソフトウェア
・色彩輝度計 / 分光器
・色彩輝度計や分光器を制御するソフトウェア
・ホワイトポイントやγ線を補正するためのアルゴリズム
測定シーケンス(一例)
■ RGBの値を求める
正しくRGBの値を求めるためには、以下の事項が必要です。
・システムの処理速度の高速化
・高速化したアルゴリズム
・精度とスピードの最適化調整
・グレーレベル毎での同色化
■ 「白」の調整方法
■ RGBの設定
8bitのビットレートで調整した場合、決して高精度ではないため、10bit以上でのビットレートを推奨いたします。Admesy社のソフトウェアは疑似的に10bit化する為に8bitのディザ処理したビットマップを使用します。これにより単純に8bitのシステムを使用するよりも高精度になります。パターンジェネレータで生成されるイメージデータは高速に出力される必要があります。
■ 一般的な生産ラインの設定
Admesy社では生産ラインには複数のチェック装置を配備して、それらの装置の測定精度の品質維持のために1台校正用装置を配備する構成を提案しています。
■ ホワイトポイント(White Point)の確認
ホワイトポイントの評価では以下のx,y、 u’,v’、 CCTを参照します。
■ CCT(相関色温度)を使用する理由
通常、色温度は放たれた放射色度と同等の色度を持つ黒体の温度を指します。CCT(相関色温度)は、その放射色度が黒体の放射軌跡上にない場合に活用します。温度という1信号として利用できるため便利です。
また、CCT(相関色温度)は、1色では表現されません。通常は放射黒体温度か太陽光の波長が使用されます。
■ γ(ガンマ)補正について
画像はたいてい0.45のγ値で取り込まれます。その場合、2.2のγ値で画像を表示する必要があります。この値が低すぎても高すぎても良い画像になりません。そのため、正常な値に補正する必要があります。
不良ディスプレイの一般的な補正方法を以下にご紹介します。
■ ディスプレイ測定向けの機器
ディスプレイの色を測る用途向けのAdmesy社製品の特長を以下にまとめました。詳細な製品情報は関連リンクからご確認いただけます。製品の選定にお困りの場合でも、是非お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
■ 関連リンク
色彩輝度計 Hyperion
色彩計(ディスプレイ用) MSE
高精度分光器 Hera
高精度分光器 Rhea
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