SWIRカメラの優位性|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2020.08.31
小型カメラ
SWIRカメラの優位性
SWIRカメラは一般的に0.9~1.7μmの波長帯を撮影できるカメラのことを指します。私たちが触れる機会の多いカメラは主に可視光(0.4~0.7μm)の波長帯を撮影するため、私たちの目には見えない情報を撮影できます。一方、コロナウィルスの影響もあって商業施設でも目にする機会が増えたサーモカメラは、SWIRよりも更に長い波長帯である熱情報を撮影できます。
本記事では、可視光カメラとSWIRカメラを用いて撮影した画像を比較し、SWIRカメラの優位性についてご紹介いたします。
主な使用機材
- SWIRカメラ※1
- SWIRカメラ※1+1550nmの波長を透過するフィルタ
- 可視光カメラ(Sony社製IMXシリーズのセンサーを搭載)
- SWIR照明※2
※1:弊社が代理店を務めるフランスのNew Imaging Technologies(NIT)社のWidy SenSシリーズのカメラ
※2:フランスのEFFILUX社のEFFI-SHARP-H.O.Pシリーズの投光器
煙の透過撮影
SWIRカメラは可視光カメラよりも長い波長を撮影するため、煙や霧などの微粒子による乱反射の影響を受けにくいといった特徴があります。そのため、煙が充満した建物の中の状態を撮影することができます。特に1550nmの波長を透過するフィルタとあわせた場合、照明のおかげもあり、より鮮明な画像を取得することができます。
火の検知
物体は熱を電磁波で放出していますが、その電磁波は一般的に低い温度ほど波長が長くなります。そのため、長い波長帯を撮影できるサーモカメラは体温などの熱の情報を撮影できます。SWIRカメラは体温が発するような長い波長の撮影は行えませんが、火が発する電磁波は撮影することができます。目視では燃えているか分からないような火もSWIRカメラでははっきりと検知することができます。また、NIT社のSWIRカメラシリーズにはセンサーが対数反応するようなログモードという機能があります。非常に明るい対象を撮影する際に本機能を使用することで、サチレーションを起こすことなく撮影できるだけでなく、撮影対象の周辺も撮影することができます。通常のカメラのダイナミックレンジは60~70dB程度ですが、ログモードを使用した際のSWIRカメラのダイナミックレンジは120dB程度になります。
火の検知を行う際に、SWIRカメラが優れている点は他にもあります。例えばガラス越しに撮影を行う場合、サーモカメラではガラスの温度の情報が火の温度の情報に重なってしまうため、鮮明な画像を得ることは難しくなります。SWIRカメラではそのような現象は発生しないため、ガラス越しでもはっきりと火を検知することができます。
以上のように、SWIRカメラは煙の透過撮影や火の検知といったアプリケーションで他のカメラと比較して優位性があります。このようなアプリケーションにSWIRカメラを用いる場合、サチレーションが発生してしまうこともございますが、NIT社のSWIRカメラはログモード機能も使用することができるため、より幅広いアプリケーションに対応することができます。
弊社にはNIT社のSWIRカメラのデモ機がございますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
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