CCDセンサーとCMOSセンサーの違いについて|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2019.06.26
小型カメラ
CCDセンサーとCMOSセンサーの違いについて
CCDセンサーとCMOSセンサーは、センサーの構造及び信号の読み出し方法が異なります。本記事では、各センサーの信号の読み出し方法とそれに伴う両者の違いをご紹介します。
■ CCDセンサーの信号の読み出し方法
- フォトダイオードで光を受光し、電荷に変換して蓄積
- 電荷を垂直伝送路に転送
- 電荷を水平伝送路に転送
- 増幅器にて電荷を電圧に変換し出力
■ CMOSセンサーの信号の読み出し方法
- フォトダイオードで光を受光し、電荷に変換して蓄積
- 各画素内の増幅器にて電荷を電圧に変換
- 画素ごとのスイッチのON/OFFにより電圧を垂直信号線に転送
- 各列のノイズキャンセラーにてノイズを消去
- 列ごとのスイッチのON/OFFにより電圧を水平信号線に転送し出力
読み出し方法の違いにより、以下のような違いがございます。
<消費電力>
CCDセンサーは、垂直伝送路で画素から画素へバケツリレーのようにして電荷を転送しています。転送には特殊な高電圧が必要となるため消費電力が大きくなります。CMOSセンサーは、スイッチのON/OFFにより電圧を読みだしており、常に電力を消費しているわけではないため消費電力は小さくなります。
<フレームレート>
CCDセンサーは、バケツリレーの要領で電荷を転送します。読み出しを速く行う場合、バケツ内のデータが飛び散ったり他のバケツに入り込んだりすることがあります。きれいな画像を得るためには、慎重かつ丁寧に転送する必要がございます。CMOSセンサーは、スイッチを素早くON/OFFすることで読み出し速度を速くすることが可能です。
<画質>
CCDセンサーは全画素に対して1つの増幅器を用いますが、CMOSセンサーは各画素ごとに増幅器が用いられます。画素だけでなく増幅器の個体差によるばらつきもあるため、ノイズキャンセラーでノイズを消去しておりますが、CCDセンサーの方が画質が良い傾向にあります。
<機能>
CMOSセンサーは、スイッチのON/OFFで読み出しを行うため、指定した範囲のみの読み出しを行うAOIや一部の画素の読み出しをスキップするサブサンプリングといった機能を使用することができます。CCDセンサーも同様の機能を使用することができますが、柔軟性や使用範囲に制限がございます。
・AOI・・・指定した範囲のみの読み出しを行う機能です。読み出す量が減るため、フレームレートを上げることができます。
・サブサンプリング・・・一部の画素の読み出しをスキップして読みだす量を減らし、フレームレートを上げることができる機能です。AOIと比べ画像は粗くなりますが、視野範囲は本機能使用前と変わりません。
<価格>
CMOSセンサーの方が構造がシンプルで製造しやすいため、価格が安価になります。