輝度計の代用(相対輝度値の測定:IDS社製カメラ)
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2022.06.27
小型カメラ
輝度計の代用(相対輝度値の測定:IDS社製カメラ)
輝度の測定には輝度計、色の測定には色彩計というように、それぞれの目的に合った測定機があります。これらの測定機は絶対値を測ることができる一方で、絶対値を測定するための設計や較正作業が必要なため、数百万以上と高価なものがほとんどです。製品検査を行う際に、例えば〇〇cd/m² ± 5%の範囲内というような絶対値を用いた選別を行う場合には測定機の使用が必須となりますが、A、B、Cの3段階の輝度の範囲で分類を行うというような場合であれば産業用カメラで代用することができます。
本記事では相対輝度値を産業用カメラで測定するアプリケーション例をご紹介いたします。実際に多くの輝度計や色彩計では産業用カメラが使用されており、産業用カメラは画像検査用途に用いられるカメラですので、適用可能かぜひご検討いただけたらと思います。
相対輝度値測定のアプリケーション
以下画像内の左側では産業用カメラ(カラー)で撮影した画像の表示、右側では撮影した画像を疑似カラー表示しております。
本アプリケーションでは、左側の画像内の水平方向のピンク色の線及び垂直方向の黄色い線を動かすことができ、線の間の平均値を0~255の256段階(各画素8ビット出力のため)でラインプロファイルとして画像の下及び右に表示します。右下の表には各線の座標位置とラインプロファイル中の最大値及び最小値が表示されます。
アプリケーションの右側では、画像の左にあるスクロールバーを動かすことで、表示する値の範囲を指定することができます。例えば値が大きい範囲(150~240)の範囲を選択すると以下のように指定した範囲内のみ疑似カラー表示されます。
ここでいう値は、レンズの絞りやカメラの露光時間によって変わってしまうため相対輝度値になります。測定機のように絶対値を得ることはできませんが、明るさを数値で取得することができます。レンズの絞りやカメラの露光時間を固定することで、例えば品質によって明るさが異なる照明であれば、相対輝度値151~180は品質A、181~200もしくは131~150は品質B、それ以外の値は品質Cというように測定機を使用しなくても分類することができます。
以上のように、アプリケーションの内容によっては測定機を使用せず産業用カメラで代用することができます。本記事でご紹介したアプリケーションは画像センシング展2022にて実際にデモを行ったもので弊社から販売しております。弊社で扱っているIDS社製の産業用カメラと合わせてご使用いただくものになりますが、測定機よりも価格は圧倒的に低くすることができますので、是非お気軽にお問合せいただけたらと思います。また、弊社では輝度計、色彩計なども扱っておりますので、測定機に関しましてもお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。