uEye Hotpixel Editorについて|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2019.08.01
小型カメラ
uEye Hotpixel Editorについて
入射光に対して線形的に反応しないピクセルや全く反応しないピクセルのことをホットピクセルと言います。ホットピクセルは様々なことが原因で発生します。例えば、センサーの生産中の汚れやセンサーの劣化が原因となります。また、ホットピクセルは、CCD・CMOSのどちらのセンサーでも発生します。一般的に同じ条件下の場合、CMOSセンサーよりもCCDセンサーの方がホットピクセルは発生しにくいと言われております。
センサーを暗くし露光時間を長めにすると、画像の中に個々の明るい点としてホットピクセルが見えます。ホットピクセルの発見には以下の要因が最適です。
1. 長い露光時間
2. 高ゲイン設定
3. センサーの温度が高温
ホットピクセルの例(左:モノクロカメラ / 右:カラーカメラ)
IDS社のカメラは、個々のセンサーのホットピクセルの確認が特別な施設で行われています。センサーを暗くし、長い露光時間での画像撮影を行います。このとき、平均輝度よりも一定値外れているピクセルはホットピクセルに分類されます。発見されたホットピクセルは、カメラのメモリに保存され、ホットピクセル補正機能を使用することにより補正されます。
「ホットピクセル補正」機能がuEyeソフトウェア上で有効になっている場合、撮影された画像のホットピクセルを水平方向に隣り合った2つのピクセルの値を用いて補正します。カラーセンサの場合、ホットピクセルは未加工のベイヤーフォーマット、つまり色変換の前に、適切な色に補正されます。
しかし、センサー上のピクセルは修理されておりません。時間と共に、ピクセルの老化作用や熱、センサー輸送中の放射線によってもホットピクセルが発生します。新しいホットピクセルが発生した際に、IDS社にカメラを返送することを避けるため、ホットピクセルをたった数ステップで定義できるHotpixel Editorを使用することができます。
■ Hotpixel Editorの使用手順
まず、センサーを完全に暗くし、カメラを動作温度にします。次にカメラのパラメータをできる限りターゲットアプリケーションに近づけます。露光時間とゲイン等のカメラの出力を増大させるような設定が、ここでは特に重要となります。
ホットピクセルの定義方法には以下の2通りがございます。
・スレッショルドの値を用いてホットピクセルを自動的に定義する方法
・自分自身でホットピクセルを定義し、ホットピクセルリストに追加する方法
Hotpixel Editorの画面
Hot pixel list(ホットピクセルリスト)には、製造中に定義されたホットピクセルだけでなく、自分自身が定義したものも表示されます。ユーザによって追加されたホットピクセルは”user”と分類され、それに対して製造中に保存されたホットピクセルは”ignore”と分類されます。
画面一番上にあるツールバーは、以下の機能を提供しております。
・Open Camera
Camera list内で選択されているカメラを開きます。
・Close Camera
Camera list内で選択されているカメラを閉じます。
・Hot pixel correction
ホットピクセル補正のオン/オフを切り替えます。
・Detect hot pixel
ホットピクセルの自動検出ダイアログを開きます。
・Write hot pixel
EEPROMにホットピクセルのリストを書き込みます。
・Add hot pixel
選択したホットピクセルをホットピクセルリストに追加します。
・Delete hot pixel
ホットピクセルリストから選択したホットピクセルを削除します。
・Highlight
マークしたホットピクセルをハイライトで示します。
・1:1
表示画像の倍率を変更します。
"Detect Hot pixel"機能は、自動的にホットピクセルを検出することができ、検出したホットピクセルをホットピクセルリストに追加します。
■ まとめ
局所的なホットピクセルを検出することは、様々な利点を提供します。カメラをIDS社に返送する必要がないため、時間とお金を要する必要がありません。また、カメラを輸送している間に新たにホットピクセルが発生してしまう可能性も防ぎます。ホットピクセルをアプリケーションのパラメータに完全に合わせる事も可能にし、結果として環境条件(周辺温度など)を考慮することができます。
最後に、ホットピクセル補正はホットピクセルを簡単に取り除くことができるため、最適な画質を得ることを可能にします。
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