Ansys Zemax OpticStudioが選ばれる理由
- 種々の光学系の設計・解析が可能
OpticStudio は使い勝手を考えたユーザーインターフェースから簡単に操作することができます。様々な光学系の設計から試作、製造に至る過程を一つのプラットフォームで支えます。
- 高速な光線追跡と実績に裏付けされた精度
Zemaxのコア物理エンジンを使用した高速の光線追跡アルゴリズムを搭載し、シーケンシャル光線追跡はもちろんのこと、計算時間が比較的長いノンシーケンシャル光線追跡および物理光学伝播も高速で実行することができます。
- 光学設計で最も広く使われているソフトウェア
Zemax OpticStudioは光学設計における高機能、汎用性から世界中で使用されています。そして、その適用先は地球にとどまらず宇宙開発にも及びます。
- 連携できるソフトウェアが豊富
昨今の光学製品の高度化で他のソフトウェアとの連携が求められる機会が多くなっています。Zemax OpticStudioはAnsys製品群との連携はもちろんのこと、そのユーザーの多さから、Ansys製品以外でも連携できるソフトウェアが多いです。
- 十分なテクニカルサポート
使用方法やトラブルシューティングに関する技術サポートを当社で実施いたします。そのメリットを生かし、お困りの点への迅速かつ正確な回答に努めます。
設計に必要なものを全て一つにパッケージ化
設計から製造に至るまでの過程を一つのプラットフォームで実行可能です。
Business illustrations by Storyset
モデリング
専用エディタによるパラメトリック定義
CADデータ:Autodesk Inventor、Creo Parametric、中間ファイル
光学特性
- ガラスカタログ
- レンズカタログ
- コーティングファイル
- BSDF散乱データライブラリ
シミュレーションエンジン
- シーケンシャル光線追跡
- ノンシーケンシャル光線追跡
- 物理光学伝播
解析
- 収差解析(縦・横収差図、スポットダイアグラムなど)
- 測光評価(照度、光度、輝度)
- 迷光解析
- ファイバー結合効率
最適化
- ローカル最適化
- グローバル最適化
- ハンマー最適化
公差解析
- 感度解析
- 逆感度解析
- モンテカルロ解析
データ出力
- 画像データ出力
- テキストデータ出力
- CADデータのエクスポート
- ブラックボックスデータの作成
- ISO10110データの出力
種々の光の解析を実現する三つのコア技術
シーケンシャル光線追跡
シーケンシャル光線追跡は、物体の表面から像面まで面として事前定義された順番(シーケンシャル)に光線を追跡します。シーケンシャル光線追跡の計算は迅速に行えるため、結像系の設計、最適化、および公差解析に向いています。Zemax OpticStudioでは多くの面タイプ、ガラスデータが標準機能で用意されており、所望の光学系を容易に構築することができます。面では薄膜コーティングを設定することができ、反射、反射防止効果などを考慮することができます。シーケンシャル光線追跡は、アフォーカル系の設計、最適化、および公差解析にも活用できます。
ノンシーケンシャル光線追跡
ノンシーケンシャル光線追跡では、光線がどの面で屈折・反射するか順番が決まっていない照明システムなどの解析に利用します。シーケンシャル光線追跡とは異なり、光線は同じオブジェクトと呼ばれる構造体と複数回交差でき、複数のオブジェクトと任意の順序で交差できます。このためノンシーケンシャルと呼ばれます。ノンシーケンシャル光線追跡では、光線を屈折面で複数に分割し、同時にエネルギー、偏光、散乱、薄膜、回折を正確に考慮しながら反射、屈折、散乱、回折した光線を追跡することができます。また、オブジェクトでは複雑な立体形状も表すことが可能です。Zemax OpticStudioで生成するオブジェクトは、光学特性を保持し、解析、最適化および公差解析を行うことができます。
物理光学伝播(POP)
OpticStudio の物理光学伝播機能では、スカラー回折理論に基づく回折計算をすることで、光学系の各面を通過した際の波面の変化を解析することができます。光線追跡では表現することのできないコヒーレント光の伝播解析に使用します。
POP では波面を点の配列としてモデリングし、各点で電場の振幅に関する複雑な情報が保存されます。1 つの面から別の面へのビームの伝播には、フレネル回折伝播アルゴリズムまたは角スペクトル伝播アルゴリズムから、より精度が高い数値を得られるアルゴリズムを自動的に選択します。
最適化
Zemax OpticStudioではローカル最適化、グローバル最適化、および、独自のハンマー最適化を利用できます。
Computer illustrations by Storyset
ローカル最適化
OpticStudio には、2 つの最適化アルゴリズムがあり、それぞれ異なった用途で「オペランド」と呼ばれる性能のターゲット値で構成されるメリット関数の最小値を算出します。
DLS 法では微分を用い、メリット関数がより小さい設計を得る解空間内の方向を決定します。 この勾配法は光学系設計全般向けに開発されており、すべての最適化問題にお勧めできます。
OD 法 は、解空間の変数と離散サンプリングの正規直行化を使用し、メリット関数を小さくします。 OD アルゴリズムは、メリット関数の微分を計算しません。 照明光学系のように、本質的にノイズが多いメリット関数を持つ光学系では、DLS 法よりも OD法 のほうが優れています。
グローバル最適化
OpticStudio の最適化には、主にメリット関数のローカルな最小値である「局所解」を求める方法と、グローバルな最小値である「大局解」を求める方法の2種類があります。ローカル最適化は設計スタート地点から局所的な最小値を求めるように設計されているため、高速で容易に最適化を行うことができます。その反面、別解群においてより性能の高いグローバルな最小値を探索することができません。
グローバルな最小値を得るために、メリット関数と初期設計のみを指定することで新しい設計フォームを検索する「グローバル サーチ」があります。グローバルサーチは、有望な設計フォームを探索することには適していますが、最終設計を生成できるわけではありません。最終設計を生成するために、もう一つのグローバル最適化機能としてZemax 独自の「ハンマー最適化」があります。設計のパフォーマンスを出し切ることを、英語では設計の“Hammering”(「打ち出し」)といいます。ハンマー最適化は、経験則やグローバル探索アルゴリズムに基づいて設計の青写真を見つけた後に、大局解の完全な探索およびその設計を実行するために使用されます。
充実の公差解析機能
公差解析の重要性
公差解析とは、「規定の製造工程を経た (つまり、製造のばらつきを含んだままの)」完成品が目標仕様を満たすように、設計時に製造誤差を考慮することです。公差解析を行う主な目的は、製造前や試作を行う前に、組立品質のばらつきを予測し、その結果をもとに、設計を改善して品質やコストを最適な状態にすることです。適切な公差解析のためには、製品の生産で使用する製造および検査の方法を把握して、現実の工程に一致した製造工程モデルを構築する必要があります。
OpticStudio の公差解析機能では、光学系を製造する際に発生する製造公差を正確な光線追跡をもとに迅速に解析することができます。さらに公差を考慮した最適化の実行も可能なので、公差に強い設計が可能です。OpticStudio ではシーケンシャルモードおよびノン シーケンシャルモードの両方で公差解析を実行できます。
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感度解析
公差解析では、レンズの製造誤差とアライメントの組立誤差をシミュレーションすることができます。レンズ特性は、曲率、厚み、位置、屈折率、アッベ数、非球面係数、およびその他の多様なパラメータを含みます。アライメントは任意の設置場所におけるレンズ単体またはグループのディセンタ、チルト、面形状のイレギュラリティ、および追加データの値を含みます。感度解析では許容可能な公差セットを設定して、基準の変化が各公差で個別に決定されます。 または、各視野と構成の基準を個別に計算できます。
逆感度解析
所定の基準の許容変化について、各公差に対する制限が個別に計算されます。
逆感度解析は、公称値からの基準変化に制限を加えることにより、または基準に対する直接的な制限により計算されます。 この基準は、すべての視野と構成の平均として、または各構成の各視野で個別に計算できます。
モンテカルロ解析
公差の全体的な影響を見積もる別の方法として、モンテカルロ解析があります。 この解析では、指定の公差を満たす一連のランダムなレンズを生成してから、その基準が評価されます。 考慮されている欠点の範囲や大きさ以外を対象とした近似は行われません。 適用可能なすべての公差を同時に、かつ正確に考慮することにより、期待された性能における高精度のシミュレーションが可能になります。 モンテカルロ解析では、正規分布、均一分布、放物分布、またはユーザー定義の統計分布を使用してあらゆる製造公差をシミュレーションできます。
データ出力
各種解析画像およびテキストを出力できる他、OpticStudio 上でISO 10110 基準の光学部品図を作成することも可能です。
また様々な CAD プログラムで利用できるよう STEP、IGES、SATや STL 形式の CAD データとしてエクスポートすることが可能です。エクスポートしたデータは有限要素解析ソフトでも利用可能です。
OpticStudio で設計した光源データを照明業界標準のIES ファイルにエクスポートすることが可能です。