OOFELIE:: MultiphisicsとZemax OpticStudioの連携|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2019.09.05
マルチフィジックス
OOFELIE:: MultiphisicsとZemax OpticStudioの連携
OOFELIE:: Multiphysicsは、FEM/BEMモデルにて、熱・構造・音響・電場・磁場・流体などの物理現象を解析することが可能なソフトウェアです。さらに、光学設計解析ソフトウェアのZemax OpticStudioと連携しソフト間で自動的なデータ交換を行うことにより、高い精度で光の熱による光学系への影響を予測する構造解析が可能です。
本事例では、OOFELIEを用いてZemax OpticStudioからインポートされた2枚のレンズとマウントで構成される光学装置の光による加熱と変形、そして光学性能の変化のモデリングを行います。
■ 「望遠鏡」の最初の2枚のレンズのモデリング
■ Zemax OpticStudioのノンシーケンシャルモデル
※光軸から5°の角度のコリメート光を用いてマウント部分に強い「ケラレ」を生成します。
マウントで吸収されたパワー=45W(すべてのケラレ光が吸収される)
レンズに吸収されたパワーは0.1W以下
■ OOFELIEでの光束の取得
上記の情報を基に、OOFELIEで光束情報の取得を行います。
容量当たりの吸収光量(N-BK7の透過率データを考慮)
マウント(仮説:100%吸収)に到達する放射照度(表面あたりのパワー)
■ OOFELIEのモデル:境界条件
次に、OOFELIEにてモデル同士の境界条件の設定を行います。
クランプ
対流光束(周囲の媒質との熱交換)
これらの設定を完了し、シミュレーションを実施します。
■ シミュレーション結果:温度と屈折率
■ シミュレーション結果:変形
■ 更新後のOpticStudioモデル
OOFELIEのシミュレーション結果は自動的に連携しているZemax OpticStudioでデータ交換が行われます。Zemax OpticStudio上でシームレスに光学性能の変化を確認することが可能です。
■ まとめ
このように、OOFELIEではZemax OpticStudioからインポートされたレンズやCADファイルの光量や照度の情報から、熱によるレンズのゆがみや屈折率の変化の解析を行うことができます。また、その情報をZemax OpticStudioへシームレスにエクスポートすることで光学性能の変化の解析が可能です。
弊社では、OOFELIEソフトウェアの販売のみならず、有償の受託解析も承っております。
ご希望の解析内容等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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